2010年度関東支部総合部会年間テーマ
「人体組織の医学・医療上の利用をめぐる倫理問題」→趣意書
◆3月例会(第199回総合部会例会)
日時:3月5日(土) 14:00~17:30
会場:上智大学 2号館6階 ドイツ語学科会議室
アクセス:http://www.sophia.ac.jp/J/sogo.nsf/Content/access_yotsuya
演者:船木 祝氏(司会:小山 千加代氏)
演題:グリーフケアについての哲学的考察
要旨:
世界保健機関は、緩和ケアにおいて、「生命を脅かす疾患による問題に直面し ている患者」だけではなく、その家族をもその対象としなければならないことを 強調している。そして、その実施項目として、家族が、「死別後の生活に適応で きるように支える」ことを明記している(2002年WHO)。一方、坂口幸弘氏らの 調査によれば、わが国ではまだ、死別後の遺族ケアを提供している施設は、ホス ピス・緩和ケア病棟以外では少数となっている。わが国におけるグリーフケアの パイオニアとも言える、哲学者アルフォンス・デーケンは、悲嘆は、専門知識や 技術を駆使して客観的に解決できる問題ではない点に、その難点を見出している。 その一方で、喪失や別離は誰にでも起こり得るものとして、それに対し準備する ことの必要性を説く。小此木啓吾氏は、すでに30年ほど前に、現代社会における 悲しみを遠ざけようとする風潮や、悲嘆に苦しむ人の孤立化する傾向を指摘して いる。本発表は、グリーフケアの現状を踏まえ、かつ諸分野の識者の見解を参考 しつつ、グリーフケアのあり方について哲学的に考察することを目標とする。
専門:哲学 医療倫理
所属:明海大学歯学部
参加費:300円
◆2月例会(第198回総合部会例会)
日時:2011年2月6日(日) 15:00~17:30
会場:東京医大病院 教育棟2階 セミナー室 201
※地図(pdfファイル)はこちら
演者:浜田正氏(司会:福田誠二氏)
演題:Subjetsからparticipantsへの困難な途
―臨床研究倫理指針再考(仮題)
要旨:
厚生労働省は臨床研究の倫理指針を2003年に作成し、2008年に改定が行われた。改 定は、①医学研究者への倫理講習会受講義務付け(研究機関の長;倫理講習会実施義 務)②被験者・研究協力者の有害事象への補償義務(保険措置)③介入研究の場合、 データベースへの登録義務④個人情報保護;匿名化・連結可能匿名化・連結不可能匿 名化⑤有害事象の報告義務、等である。本発表では、改定の論議が行われた厚生科学 審議会科学技術部会(07~08年)[a臨床研究倫理指針の対象範囲と研究の類型b研究 の倫理c有害事象の補償・賠償、補償の保険d欧米における規制と倫理審査委員会e国 内;倫理指針の運用状況調査f臨床試験登録と研究倫理g改正案]の議論を考察しながら、臨床研究の倫理指針のも つ意義(改定の意義)と問題点を明らかにしていきたい。その際、重要となるのが、 臨床研究の対象である人間存在の臨床研究における「地位=在り方」である。被験者 Subjectsという在り方から研究協力者participantsという人間的な在り方への移行は 困難な途となっているのではないか。
専門:倫理学、哲学、生命倫理
所属:首都医校
参加費:300円
◆1月例会(第197回総合部会例会)
日時:2011年1月8日(日) 15:00~17:30
会場:上智大学 2号館6階 ドイツ語学科会議室
演者:大井 賢一氏(司会 小阪康治氏)
演題:がん患者はどのように共同意思決定を行うのか?
―状況要因および決定因子をめぐって―
要旨:
がんは1981年からわが国の死因の第1位を占め、年間30万人以上が亡くなって いる。年間50万人が新たにがんと診断され、治療選択の意思決定を行っている。 現在、がんと向き合う300万人のうち、151万8,000人は継続的に医療を受けてお り、常に難しい治療選択の意思決定に直面している。
がん医療において、多くの医師が重視している治療結果は、根治可能な状況で あれば「根治」、根治不能であれば「延命」である。がん医療が目指すべき治療 結果は、人間の幸福である。生存およびQOLは、幸福に直接関わるという意味で、 真の評価項目(true endpoint)と呼ばれるが、幸福との相関の度合いは、人そ れぞれの価値観によって様々である。生存の代用評価項目である腫瘍縮小効果で 幸福を推し量ることはさらに困難である。幸福を客観的に評価する指標が存在し 得ない以上、エビデンスで万人に通用する結論を出すことはできないのであり、 結局は、個々の患者の治療目標に応じて、エビデンスを主観的に解釈する作業が 不可欠となる。
患者と医師とが明確な治療目標を共有しないまま治療を行うのでは、治療が医 師の自己満足にしかならない危険性がある。このような医師が一方的に意思決定 を行い患者がそれに従うことは、これまでパターナリズム(paternalism)とし て、できるだけ避けなければならない医師の態度とされ、むしろ患者の確かな同 意および満足度が得られるためには、患者および医師の相互参加(mutual participation)の関係が必要であるといわれている。
がん医療における意思決定は、医師が自らの専門的知識・技術を患者に提示し、 患者が自らの病気との向き合い方、治療目標、人生観および死生観を含む価値観 を医師に提示し、それらの情報にエビデンスを統合させ、両者の納得する合意に 至る、という共同意思決定(shared decision making)でなければならない。 本発表では、がん患者が自らの治療選択において医師と共同意思決定を行うに あたり、(A)がんの初発期(primary cancer)、(B)がんの再発・転移期 (recurrence or metastatic cancer)、および(C)がんの終末期(end-stage cancer)といった各患者の状況において、(a) 信頼度の高いエビデンス、(b) 医 師の専門的知識・技術、および(c) 患者の価値観といった意思決定因子の関わり について考察を試みる。
専門:医療倫理
所属:NPO法人ジャパン・ウェルネス事務局長、防衛医科大学校非常勤講師、埼玉医科大学非常勤講師
参加費:300円
◆12月例会(第196回総合部会例会)
日時:2010年12月5日(日) 15:00~17:30
会場:上智大学 2号館6階 ドイツ語学科会議室
アクセス:http://www.sophia.ac.jp/J/sogo.nsf/Content/access_yotsuya
演者:朝倉 輝一氏(司会:小館 貴幸氏)
演題:「みなし末期」と「尊厳死」の間で
――「福祉のターミナルケア」論争を振り返る――
要旨:
1998年から2001年ごろまで『社会保険旬報』誌上を中心に『「福祉のターミナ ルケア」に関する調査研究事業報告書』(以下『報告書』)の内容をめぐっていわ ゆる「福祉のターミナルケア」をめぐる論争があった。対立点の中心はいわゆる 「みなし末期」と「限定医療」であった。その後、「福祉のターミナルケア」は 各種の「終末期医療に関するガイドライン」等の策定や日本介護支援協会の『高 齢者介護における福祉ターミナルケア・マニュアル集』などに反映されて決着を 見たかのようである。この論争を振り返ることで、残された問題点があるのか、 あるとすればどのような問題なのかを探ることにしたい。
専門:哲学・倫理学
所属:東洋大学
参加費:300円
◆11月例会(第195回総合部会例会)
日時:2010年11月6日(土) 15:00~17:30
会場:上智大学 2号館6階 ドイツ語学科会議室
演者:中澤 武氏(司会 森 禎徳氏)
演題: ニューロエンハンスメントに倫理問題は在るか?
――ドイツ脳神経倫理学のトポイ――
要旨:
本報告の目的は、ニューロエンハンスメント(=NE)に関してドイツで行われ ている議論の動向に注目し、脳科学をめぐる倫理的問題の所在をはっきりさせる ことにある。
脳は可塑性に富む臓器である。もしも適切な手法で脳活動に介入すれば、認知 能力やコミュニケーション能力などを意図的に改変することも不可能ではない。 現代の脳科学は、脳機能を非侵襲的に計測する手法の開発に始まり、いまや従来 の治療の範囲を超えて、脳の機能を増強する技術までをも実現しつつある。この 過程で、脳科学は、医学だけにとどまらず、心理学や教育学、経済学あるいは倫 理学の分野にまでその応用範囲を広げてきた。その一方では、脳の話題に世の関 心が集まり、「神経神話」の影響力が強まっていることも事実である。たとえば、 「脳トレーニング」のための商品が次々と売り出され、脳活(脳の活性化)を標 榜するセミナーには受講者が殺到している。NEに対する潜在的需要は、相当なも のであると言わざるをえない。
NEの技術的可能性については、生体工学を応用した侵襲的介入がまだ基礎研究 の段階であるのに対して、神経薬理学の分野では、記憶力や注意力を増進すると されるスマートドラッグの利用が始まっている。薬剤による脳機能の増強は、す でに現実の問題なのである。
このようなテクノロジーの進展に対して、NE慎重派の側からは様々な懸念が表 明されている。だが、そこで問題になっているのは、多くは法規制や社会政策な どによって解決され得る事柄であるか、あるいは、新技術の人体への応用に関す る一般的問題であり、特にNEに固有の倫理的問題が指摘されているとは言い難い。 では、いったいNEには倫理問題など無いのだろうか? もしも、この問いに接し て「そんなはずは、あるまい」という直感が働くとすれば、その直感の中味は、 どうなっているのだろうか? そこには果たして、確とした倫理問題が潜んでい るのだろうか?
本報告は、このような問いの答えを、ドイツにおける最近のNE論争の中に見出 す。その際には、要求工学で用いられる「トポイ図」を参考に、ドイツでの多岐 にわたる論点を整理し、NE問題の位置づけを明らかにする。その結果、議論は社 会論と人間学との2つの問題圏に分けられる。最終的には、NEの目的ないし価値 の中に倫理問題が見定められ、「人間としての自然」という概念の可能性と限界 が問題になる。
専門:ドイツ18世紀啓蒙研究・医療倫理・ビジネス倫理
所属:早稲田大学
参加費:300円
◆10月例会(第194回総合部会例会)
日時:2010年10月2日(土) 15:00~17:30
会場:上智大学 2号館6階 ドイツ語学科会議室
演者:一戸 真子 氏(司会 小松 楠緒子 氏)
演題: チーム医療・連携時代の医療倫理
要旨:
医療を取り巻く環境はめまぐるしく変化している。カルテ一つを例にとっ ても、ドイツ語で書かれていた時代から英語の時代へ、そして日本語になり、今で は電子カルテの普及により、医師の診療録、検査データ、看護記録などが複合的に 患者情報と一緒に参照できるシステムも存在している。これまでは、医師と患者関 係における医の倫理、あるいは看護師の患者に対する看護倫理といった個々の従事 者における倫理についての検討が多かったが、これからは治療においては、医師や 看護師、薬剤師や管理栄養士などとのチーム医療によるアウトカムの成果が求めら れ、検査や手術などにおいても同様にチームによる医療の質向上が求められてい る。さらに、平均在院日数の短縮や、がんを代表とする生活習慣病が日本人の死因 の上位を占めていることから、様々な医療機関間での連携や、病院と診療所の連携 が現実的となってきた。本格的なチーム医療・連携時代における医療倫理について 検討したい。
専門:医療管理学・医療政策学
所属:上武大学
参加費:300円
◆9月例会(第193回総合部会例会)
日時:2010年9月4日(土) 15:00~17:30
会場:上智大学 2号館6階 ドイツ語学科会議室
演者:奥田 純一郎 氏 (司会:奈良 雅俊 氏)
演題: iPS細胞研究と法の役割
――「生命倫理と法の関係」の一般理論に向けて――
要旨:
この報告では、人工多能性幹細胞(iPS細胞)研究の倫理問題を検討するこ とを通じて、より一般的に、生命倫理に関して法が果たすべき役割やそのある べき指針・方向性を検討することを試みたい。
ヒトのクローン胚やES細胞を用いた研究は、その効用への期待の半面、独 立した人になりうる存在を研究利用のために犠牲にする事への、倫理的懸念 がついて回っていた。これに対しiPS細胞は、ヒトの体細胞に由来する事から、 倫理的懸念を生じることなく「期待」に応えられる存在として注目を浴びている。 しかしその多能性を利用し生殖細胞への分化を容認するに至り、iPS細胞に も倫理的懸念を向けられている。 本報告では、倫理的懸念に対する応答に 関し、法(実定法に限らず、立法論や法的思考)に何が出来るか(あるいは、 出来ないか)を検討する。特に「ヒト胚の法的(道徳的)地位」という「論争」の 本来の意味を考え直してみたい。そのことから「生命倫理と法」をより一般的 に考える手がかりを探りたい。従って報告というより問題提起に留まることを 御寛恕願いたい。
専門:法哲学、生命倫理と法
所属:上智大学法学部
参加費:300円
◆7月例会(第192回総合部会例会)
日時:2010年7月3日(土) 15:00~17:30
会場:上智大学 2号館6階 ドイツ語学科会議室
演者:宮下 浩明 氏(司会 高山 裕 氏)
演題:中山間へき地の無床診療所活動の報告
―高齢者を対象とした医療活動の倫理性についての検討
要旨:
過疎地域の人口は1056万人で全人口の8.3%(平成17年国勢調査)であり、 面積は204201km2で全国土の54%(平成19年10月1日)を占め、過疎地域を含む市 町村数は730市町村で全市町村の41%(平成21年4月1日現在)である。過疎地域、 へき地における地域の特徴のひとつに人口の減少が顕著であることがあげられる。
このような地域における無床診療所活動の一例をしめすことで、地域人口の減 少にともなう受診患者数の減少、受診患者の高齢化、地方交付金の補助を受ける ことで運営が成り立っているという特徴があることを紹介する。
一方、限界集落の住民の76.1%が将来においても現在の集落に居住し続けたい との意思を持っていることが確認されている。また、高齢者にあっては移動など の身体能力の低下がある。
過疎地域、へき地における医療・福祉活動に従事するものの姿勢として、居住 する高齢者の生き方に対する希望を尊重する必要があること、高齢者の弱さに対 する配慮が必要であることを述べたい。
専門:医学、一般内科
所属:新見市国民健康保険神代診療所
参加費:300円
◆6月例会 (第191回総合部会例会)
日時:2010年6月5日(土) 14:30~17:30
会場:芝浦工業大学 豊洲校舎教室棟 512教室
* 研究棟1階入り口の自動ドアが開きませんでしたら、入り口の右手に
あるインターフォンで、中にいる職員にお願いして開けていただいて
ください。
最寄駅:有楽町線「豊洲駅」1a又は3番出口から徒歩7分
JR京葉線「越中島駅」徒歩15分
アクセス:東京メトロ有楽町線の有楽町駅から新木場方面へ、
所要時間約10分で、豊洲駅下車
→(最寄駅までの案内)
→(最寄り駅からキャンパスまでの案内)
→(校内地図)
演者:岩江 荘介 氏(司会 皆吉 淳平 氏)
演題:ヒトiPS細胞研究の倫理・法・社会的側面に関する論点整理
要旨:
2007年11月にヒトiPS細胞の樹立が発表されて以来、ヒトiPS細胞は再生医 療研究の中心的な存在となり、大規模な政策的支援を受けながら推進されている。 また、新しい治療方法や新薬開発への期待から、社会全体からも期待と注目が集 まっている。その一方で、再生医療研究がヒトを対象とする以上、科学的なだけ でなく倫理・コンプライアンス・社会的にも相当な慎重さをもって研究が推進さ れなければならない。そこで、生命倫理的な視点からもヒトiPS細胞研究につい て相当な質・量の議論が必要となってくる。
しかし、わが国において、この類の議論がさかんに行われてきているとは言い 難い。その一理由として、わが国では「ヒトiPS細胞研究を進める上で、どのよ うな倫理・法・社会的問題が考えられるか?」に関する議論、つまり重要な論点 を俯瞰する作業がきちんと行われてこなかったことが挙げられる。
そこで本発表では、ヒトiPS細胞研究の倫理・法・社会的側面について論点整 理を試みる。予め重要な論点を洗い出して整理し、議論のポイントを明らかにす ることにより、ヒトiPS細胞研究を巡る生命倫理的な議論の活性化に貢献できる ものと考える。
専門:医療倫理・科学技術政策
所属:京都大学人文科学研究所・研究員
参加費:300円
◆5月例会(第190回総合部会例会)
日時:2010年5月8日(土) 14:00~17:00
会場:芝浦工業大学 豊洲校舎教室棟 512教室
演者:宮嶋 俊一 氏 (司会:小阪 康治 氏)
演題:ヘッケルの優生思想と一元論宗教(仮)
要旨:
エルンスト・ヘッケル(1834-1919)は、ドイツの著名な生物学者・動物学者で、専 門領域は放散虫やクラゲなどの下等海産動物の形態学・分類学・発生学であった。 イギリスのダーウィン進化論をドイツにおいていち早く受容し、それを基礎に形態 学を体系化した『有機体の一般形態学』を著した。その後一般向けの啓蒙書として 『自然創造史』、『宇宙の謎』、『生命の不可思議』などの著作を出し、いずれも 当時のベストセラーとなった。彼はダーウィン進化論に独自の思想を加え「一元論 (Monismus)」という哲学思想へと変容させそれを普及させたが、その社会ダーウィ ニズム思想は優生思想を生むことともなった。それがナチスドイツの人種主義に与 えた影響についても指摘されている。本発表では、まずヘッケルの優生思想の内容 を、次に「一元論思想」を紹介し、さらにそれを普及させるための一元論運動につ いて当時のドイツにおける宗教状況の中で考えていきたい。
専門:宗教学・死生学
所属:東京外国語大学・大正大学(等)非常勤講師
参加費:300円
◆4月例会(第189回総合部会例会)
日時:2010年4月3日(土) 16:00~17:30
会場:上智大学 2号館6階 ドイツ語学科会議室
演者:黒須 三恵 氏
演題:人体組織の医学・医療上の利用について
要旨:
新年度最初の例会が開催されるにあたり、例会責任者の立場から、年間テーマの趣旨説明を兼ねた発表を行う。例会の年間テーマは「人体組織の医学・医療上の利用における倫理問題」が予定されている。
そこで、昨年に「改正」された臓器移植法が本年7月に全面的に施行されることから、移植実施例の検証を含めた移植医療の倫理問題が取り上げることを期待 する。本人の事前の拒否意思表示がなければ遺族の同意で臓器提供が可能であること及び、家族への優先提供が家族内に何をもたらすか。さらに、脳死が一律に 人の死と規定されたことで脳死状態の患者家族と医療者の関係はどうなるか。
ES細胞やiPS細胞の臨床研究を念頭においた、ヒト幹細胞を用い臨床研究に関する指針の見直しが検討されている。このような細胞移植に関しては安全性 以外にどのような問題があるのか。他人の臓器に頼るため臓器不足が大きな課題となっている臓器移植に代わる医療として期待されている再生医慮の倫理的課題 についても検討の対象である。
自らの臓器等を死後も含めて提供することがなぜ、認められているか。身体論からみると、臓器等の提供はどのように理解できるのか。文明史の視点からは移 植医療はどう位置づけられるか。過渡期の医療なのか。このような課題についても議論が必要であるので、会員の方々からの積極的な演題応募を期待する。
専門:生命倫理学
所属:東京医科大学
参加費:300円